これが解けるか!

Can this be solved!

これが解けるか!

ホイル折り紙(反射と金属光沢)

 いつもと同じように入り口の扉を横に引く。

「こんにちは」

 入り口のすぐそばにあるカウンターにはマスターはいない。別に驚くようなことではない。他の店ではどうなのか知らないが、この店に限って言えばこれが通常運転だ。

 マスターはたいてい店の奥で仕込みや焙煎をしたり店の掃除をしたりしている。その間、常連が店の入り口に座り、客がやってくると常連がマスターに声をかけるのだ。

 今日はマスターの代わりに常連友達の子どもたちがいる。ひよりだ。たぶん、親と一緒にやってきているのだろう。

「おお、はかせ、久しぶりだな。まあ座れよ」

 ひよりは小学校3年生の女の子なのだが、最近、すっかりおませさんになった。私が小学生だった頃の女子がどうだったかはよく覚えていないが、この年頃の女の子というのはこういう風になってしまうものなのかもしれない。

「はいよ。じゃあ、隣に座らせてもらおうかな」

「よし」

 ひよりの手元を見ると、折り紙がある。

「ひより、折り紙を折ってたの」

「うん。こないだはかせが折ってた小さい飾り、あれ私も作りたいんだ」

 ああ、ユニット折紙のことか。たぶん、12枚の折り紙を使うタイプのもののことを言っているのだろう。

「でも、どのくらいの大きさの折り紙を使えばいいのかわからないから、とりあえずこの折り紙を半分の大きさに切り分けて使おうとしてたんだ」

 この折り紙は7.5cm角だから、半分にすると3.75cmだ。

「ひより、この大きさでももちろん問題なく作れると思うけど、こないだ僕が作っていたものと同じ大きさのものを作りたいのなら、縦横を半分ずつじゃなくて、縦横を三等分しないといけないよ」

 ひよりは驚いた顔をし、暗い表情になった。

「ええ、そうなんだ……どうしよう、三等分のやり方がわからないし、これでも十分小さくて折りにくそうだと思っていたのに」

「手伝おうか。僕は実際にこの大きさの折り紙をカットするところから作ったことがあるしさ」

 ひよりの表情がぱあっと明るくなる。本当はのんびりしに来たんだけど、仕方ない、手伝ってやるか。

「仕方ない、手伝わさせてやる。しっかりと手伝うんだぞ」

「はいはい」

「はいは一回!」

「はい」

 私の返事に納得したひよりは、鼻歌交じりに折り紙を準備し始めた。やれやれ。

 しかし、まあ口ではああ言っていても、本当に言葉通りのことを思っているわけじゃないということはわかる。なんだかんだで素直な子だ。

 

「うわ!まぶしい!」

 ひよりは急にそう叫んだ。

「どうしたんだ」

「このホイル折り紙で光が反射してさ」

「ああ、そういうことか」

 天井の電球からは強いウォームホワイトの光が出てきている。確かにまぶしいだろう」

「びっくりしたなあ、もう」

 ひよりは目をこすっている。

「そういえばひより、さっきはなんでまぶしかったか説明できる」

「え、そんなの、ホイル折り紙が光を跳ね返しているからに決まってるじゃん」

「いや、それだけだと不十分だ。たとえば、かなり薄暗い部屋の中でこのホイル折り紙をのぞき込んでも、そんなにまぶしくはないはずだろう」

 ひよりは、うーん、と頭を傾ける。

「はかせ、また私にそういう難しい問題を出すつもり?いじわる」

 ひどい言いようだ。ひよりにとってもいい勉強になるかもしれないし、そうなるように工夫してるんだけどなあ。

「まあそう言うなよ。この問題を考え終わったらきちんと折り紙を折るのを手伝うからさ」

 むう、とひよりが頬を膨らませる。

「仕方ない、頑張る」

「よし、いい返事だ」

【問】

〇ホイル折り紙が反射する光を見てまぶしかった理由を考察しなさい。また、光を反射してもまぶしくないようにするにはどうすればよいだろうか。

〇ホイル折り紙がよく光を反射するのはなぜか。

〇ホイル折り紙の表面は金属光沢によく似た光沢をもっている。金属光沢について説明しなさい。また、金属光沢が発生する理由についても説明しなさい。