これが解けるか!

Can this be solved!

これが解けるか!

分銅その1

 困った。上皿天秤用の分銅を仕分けていたのだが、ぼうっと別のことを考えながら作業をしていたせいで間違えて本物と偽物が混ざってしまった。

 ながら作業は失敗のもとだ。私のように注意力が散漫な人間は特に避けた方がいいのだが、またやってしまった。

 後悔しても仕方がない。何とかして分銅を仕分け直さないといけない。分銅は、10 gのものが728個と偽物が1個混ざって、合計729個ある。

 偽物の分銅は見た目は本物と全く同じにみえるので、見た目で仕分けることはできない。ただ、偽物は本物とは異なる素材を使っていて、本物よりもほんの少しだけ軽かったはずだ。しかし、どうやってそれを見つければいいのだろう。729個の分銅を重さが異なるものを見つけるまで量り続けなくてはならないのだろうか。考えただけで気が遠くなる。

 面倒くさい。重さ以外の条件に差がないならば、すべて本物ということにしたって大した問題ではないのではないか、とさえ思えてくる。

 はかせがこのことを知ったら、そういう問題ではないんだよ、と呆れられてしまうだろう。そう、そういう問題ではないのだ。

 きちんと量るしかないだろう。しかし、何とかして楽する方法はないものだろうか。

「あれ、春真。どうしたんだ」

 後ろから声がした。

「あ、はかせ」

「何か困っているようだね」

「うん、分銅を仕分けしていたんだけど、本物の中に一つだけ偽物を混ぜちゃってさ。見た目が全く同じだから、見分けるためには全ての重さをはかるしかないのかなと思って」

 はかせは考え込むように唸った。やはりまずいのだろうか。

「偽物が一つだったということは確実なの」

 ん、どういうことだ。でも、きちんと答えるべきだろう。

「はい」

「じゃあ仕分けるのはそんなに難しくないと思うよ。上皿天秤を使うとどんなに多くても10回以内の測定で終わるはずだから」

【問】

○分銅の偽物を楽に見つけるためにできる工夫を考えなさい。

○正しく分銅を仕分けるのに最低限必要な測定回数は何回か。