これが解けるか!

Can this be solved!

これが解けるか!

目覚まし時計

 びっくりした。訳が分からないまま身体が動く。

 大きな音が鳴っているのでそれを止める。そしてしばらくわけがわからずに放心する。ああ、そうだ、起きないと。

 ああ、眠い。そしてとても気分が悪い。目覚ましに起こされるときは意識がはっきりしていないから、自分が何を感じ何を考えているのか自分でもよくわからない。

 

 いったい何が起きているんだ。今自分は何をしているんだ。音がしている。止めないと。ああ、止まった。ああ、自分は今起きたのか。というか、起こされたのか。ああ、心臓がどきどきする。気分が悪い。身体がだるいし、何よりもう少し眠りたい。

 

 こんなところだろうか。よくよく考えるとかなりみっともないことをしているということに気づいて少し気分が落ち込む。まあ、なんだかんだできちんと起きるのだから、問題ないか。

 それにしても、目覚ましで無理やり起こされると、どうしてもしばらくの間は気分も機嫌も悪くなってしまう。

 別に目覚ましに罪があるわけではないし、彼(彼女?)はただ忠実に任務を遂行しただけだ。それでも、無理やり起こされた上に幸せな夢から途中で中断されたについては腹立たしい。もう少し気の利いた起こし方をしておくれよ、といってやりたくなる。寝起きに、「ああ、こいつはとても気が利くなあ。かわいいやつだ、とでも思えるようなものとか。ああそうだ、愛される目覚ましとでもいえばいいのか。そういう感じのものがあればいいのになあ。

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 いつまでも布団の中でそんなことばかり考えていられないので、布団から出て身支度を始めた。

 それにしても、自然と目が覚めそうになっているのではない状態で無理やり起こされるというのはどう考えてもうれしくない経験だ。

 人間はうれしくない経験をさせるものには不快な印象を持ってしまうようにできている。生物は不快さを危険と判断して事前に回避することで個体を死ににくくし、より効率的に種を保存できるように進化してきたが、人間だって例外ではないのだ。

 半分眠っているような状態で目覚ましの不快な仕打ちを受けると、一応それに対する反応として目覚ましを止めるという行動はする。

 しかし、人間はそういう不快さに毎日耐えるよりは、不快さの根本をなくしたり、適当にあしらったりしてしまおうとするものだ。つまり、目覚まし機能を無効にしたり、目覚ましを止めた後で眠りなおしたりしてしまうのだ。

 それでは目覚ましの役割を十分に果たせなくなってしまう。本来の役割を忠実に遂行するには、抵抗なく起こされることを受け入れたくなるような存在になる方がいい。

 たとえば、起きることに希望を見出せるような、楽しさを見出せるような機能がついているとか、朝が憂鬱な人たちの憂鬱さを緩和するような仕組みを盛り込まれているとか……

 

【問】

○愛される目覚まし時計を製作する具体的な素案を作りなさい。