これが解けるか!

Can this be solved!

これが解けるか!

 自宅から自動車で数分のところにある山へ向かう。山の入口に自動車を停め、その先は歩いて行くことにした。自動車で行けなくはないのだが、歩いて行きたい気分だ。

 仄かな暗闇の中、川が流れる音と虫の鳴き声だけが聞こえる。月灯りがぼんやりと足元を照らし出す。元来た道沿いにある民家の明かりと街灯は点になり始めている。

 今年もいるだろうか。周りを見渡す。

暗闇に目が慣れてきた頃、少し先にほのかに黄緑がかった光が見えた。ひとつ、ふたつ。ああ、よかった。今年もいた。

 川の上流へ進んでいくと、蛍の数はどんどん増えていく。小さな川にかけられた橋の真ん中で立ち止まる。目の前にはたくさんの淡い光が舞っている。

 きれいだ。

 しばらくその光を見つめていた。昔のこと、今のこと、これからのことなどをとりとめもなく想う。楽しかったことや悲しかったことははるか遠く、蛍の淡い光のように散っていった。今もやがてはそうなり、未来がやってくるのだろう。

 昔だったらそれで物悲しい気分になっていたかもしれない。しかし、今はなぜかそういう気持ちにはならなかった。ただ、できることをして生きられるだけしっかりと生きる。そうすることが大切だと気付いたからだろうか。

 ああ、そんな難しくて野暮なことはどうでもいい。ただ、あの人に見せたい。一緒に見たい。寂しいとは思うが、自分にもそんな風に思える人がいてくれるということがとてもうれしく、そしてありがたいことだと思う。

 来年はこの淡く、不思議な気持ちを呼び起こしてくれる光をともに見られますように。

 

【問】

〇蛍が光を出すのはなぜか。

〇蛍が光を出すことができるのはなぜか。その仕組みを調査または推測して説明しなさい。

〇蛍の光を人工的に作り出すことは可能だろうか。あなたの見解を述べなさい。

〇登場人物の人物像についてあなたの推測を述べなさい。